はじめに

◆「フリーランスユニオン」をつくりたい・・・

　私たち「フリーランスユニオン準備会」は、フリーランス同士がつながり、話し合う場としてフリーランスユニオンをつくりたいと考えています。そして、フリーランスでつくる労働組合の結成を目指しています。

　このたび、ウーバーイーツユニオン、ヨギーインストラクターユニオン、ヤマハ音楽講師ユニオンの3団体の有志たちとともに、まず、準備会を立ち上げました。

　この準備会の発足とともに、フリーランス（個人事業主）ではたらく仲間たちがはたらく環境をもっとよくしたい、委託先との対等な関係を築きたいと全国で続々と声をあげ始めました。

◆フリーランス・ワーカーの置かれた過酷な状況

　現在、私たちフリーランス・ワーカーは個人事業主としての（業務委託）契約を結んではたらいておりますが、委託料金、業務実施期間、解除等についてもすべてを会社が一方的に決めることが通例となっており、何十年勤務した者でも詳しい説明もなく、メール1本で一方的に契約を解除されることもあります。

　そして、失業してもフリーランスとして働く人たちには、雇用保険加入が義務化されていないため、失業給付を受け取りながら次の仕事を探すこともできません。そのため、翌月の家賃支払いもままならなくなり、路上生活を余儀なくされるということも少なくありません。

◆権利を求めて立ち上がったワーカーたち

　就労実態に即さない違法な契約（業務委託契約）を結ばされていたワーカーの中には、会社の中にユニオンを結成し、何度もの団体交渉（話し合い）を通じて、「雇用契約」の締結を実現したケースがあります。

　また、現在も就労の実態に即した雇用契約の締結を求めて、たたかっているワーカーたちもいます。 　私たちは、憲法で守られている労働三権を無視し、はたらく人びとの権利を踏みにじり、使い捨てにする使用者のやり方に対し、異議を唱えたために、仕事干しや契約解除などの不利益な扱いをされた仲間を決して見捨てません。

　労働組合法で禁じられている労働組合の役員に対する不利益な扱いをしたり、ユニオンとの話し合いを拒否した会社に対し、労働委員会へ救済を申し立て、会社の違法行為を正すよう求めているユニオンもあります。

◆すべてのはたらく人びとに、労災保険の適用を！

　そのほか、仕事中に事故にあってケガをしたり亡くなったりしても何の補償も受けられないことをおかしいと感じ、雇用されている労働者と同じように会社が全額負担する「労災保険」の適用を求めてユニオンの活動しているワーカーたちもいます。

　フリーランスユニオンは、雇用されない働き方であっても、誰でも働いて生活を成り立たせることができ、病気やけがなどになっても生活が保障される社会の実現を目指しています。そうでなければ、フリーランスとして働く人たちが仕事や生活に不安を抱えてしまうからです。

　私たちフリーランスユニオンは、フリーランスこそ労働組合が必要！と勇気を持って立ち上がった仲間たちを守り、支えます。
　そして、労災保険の適用などはたらくうえで必要不可欠な保護と権利をみなさんとともに考え、社会に要求していきたいと思います。

支援が必要な理由

活動資金を必要としている

　フリーランスユニオンは、活動に参加する人の大半がフリーランスとして不安定な働き方をしています。そのためもあって、活動に参加する人たちから高額の会費を徴収することは難しく、活動のための資金が圧倒的に足りません。それでも、フリーランスとして働く人たちの待遇を改善していくためには活動を行う必要があります。

　活動を行っていくためには、それに参加するための交通費や、イベントを開催する際には会場を借りるお金が必要となりますが、それらのための資金がありません。

　また、フリーランスとして働く人たちの待遇を改善していくためには活動を行う必要があり、そのために時間を割かなければなりませんが、それでは生活のために必要なお金を稼ぐことが難しくなってしまいます。

　そうした状況を少しでも改善し、継続してフリーランスの待遇を改善していく活動を行っていくために、活動に中心的にかかわる人に対しては、少額ではありますが、報酬を支払えるようにしたいと考えています。

活動場所を必要としている

　フリーランスユニオンの活動をより多くの人に知ってもらい、活動の輪を広げていくためには、活動の拠点となる場所が必要ですが、今のところ確保できていません。

　当面は、相談対応や取材対応に対し、レンタルルームなどの貸室料として、支援していただいたお金を活用したいと思います。独立した事務所を持つのは大変お金がかかるので、将来的には、他の社会的な活動を行っている団体（NPO・NGOなど）と共同で事務所を借りたいと考えています 。

支援の使い道　　　　　　　　　　　

　ご支援いただいたお金の使い道は、下記のとおりです。大切に使わせていただきます。

〇ユニオンのために時間を割いて仕事をしてくれた方への報酬(3名）
①SNS管理、宣伝、クラファン、会員管理　　　30,000円×12＝360,000円
②相談対応、連絡、文書作成、取材対応　　30,000円×12＝360,000円
③HP作成・維持・管理　年間 360,000円

〇記者会見＆イベント開催の際の交通費
*浜松のメンバーは、往復約￥16,000×5＝80,000円
*東京近郊のメンバー　1,500円×5回×15人＝112,500円

〇裁判・労働委員会の傍聴支援、集会運営等の交通費
2,000円（往復）×20人×8回＝320,000円

〇備品購入（パソコン、プリンター、インク代、紙代、文具、プロジェクター等）
306,800円

〇集会会場利用料
26,900円×4回＝80,700円

〇レンタルルーム室料
2,000円×10回＝20,000円

さいごに　　　　　　　　　　　　　　

　私たちがなぜ「自営業者」（個人請負）としての契約や扱いではなく、実態に即した雇用契約の締結を求めている理由が一目でわかる表を作成し、ご参考までに貼り付けました。

フリーランスの働き方の改善は、その他の働く人たちの仕事や生活の改善につながる　

　「自分はフリーランスではないので関係ない！」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。

　なぜなら、フリーランスとして働く人たちが仕事や生活に不安を抱えながら働かざるを得ない状態を容認してしまえば、雇用されて働いている人たちの働き方や生活も同じような境遇におかれることが予想されるからです。

　それゆえに、フリーランスとして働く人たちが安心して働き、生活していくことのできる社会をめざすことは、ほかのはたらき方をするすべての人びとの仕事や生活を改善していくことにつながります。

　現在、雇用されない立場で働く人たちが増加するなかで、フリーランスなどの雇用されない働き方の法整備が進められているところです。

　だからこそ、フリーランスユニオンの活動をより多くの人に知ってもらい、活動の輪を広げていきたいと考えています。

　私たちは、みなさまとともに、はたらく人びとが、健康で安心してはたらける社会をつくっていきたいと考えております。

フリーランスユニオンへご寄附・ご支援をどうかよろしくお願いします。

【プロフィール】

フリーランスユニオン準備会の中心となっている団体有志の経歴、および団体のめざしていることや活動内容についての紹介をします。

◆ウーバーイーツユニオン　土屋 俊明(つちや・としあき)

ウーバーイーツ配達員。

2019年7月に転倒事故をきっかけに当時まだ準備会だったウーバーイーツユニオンに参加。

2020年1月から3月にかけてウーバーイーツ配達員を対象に調査を行った「事故調査プロジェクト」を担当、同年8月には厚生労働省へ企業負担の労災の実現を訴える要望書を提出。

2020年11月より現在まで執行委員長。

◆ヤマハ音楽講師ユニオン

私たちヤマハ音楽講師ユニオンは、ヤマハ音楽教室で働く講師の労働環境の改善に取り組む労働組合です。多くの組合員を募り、ヤマハ（ヤマハ音楽振興会）との団体交渉等を通して労働環境の改善につなげていきたいと考えています。

現在、ヤマハ音楽講師はヤマハ音楽振興会（以下ヤマハ）と委任契約を結び、個人事業主として働いています。ヤマハからはレッスン業務のみを委託をされ、発表会や講師会議などのレッスン以外の業務は特約店から依頼されています。

しかし講師と特約店は契約関係にないにも関わらず、レッスン以外の業務の多くが無報酬（あるいは不当な報酬額）であるケースが散見されます。
また、断ると不利益を被る恐れから無報酬でも受け入れざるを得ない講師が多くいます。

対等な力関係にあるのであれば、無償で働くことをわざわざ受け入れる理由はないはずです。

不平等な力関係・講師の不安定な立場は、私たち講師が一致団結し、集団としての力を持つことで、改善に繋げることができます。

ヤマハ音楽振興会との団体交渉等を通して、より良い働き方を実現するために、皆さんの力をお貸しください！多くの講師が一致団結し、大きな力を持つことが必要です！

◆yoggyインストラクターユニオン

2019年4月。私たちのユニオンは発足しました。
ユニオンとは「労働組合」のこと。

労働組合は憲法28条を具現化した「労働組合法」に基づく組織。 労働者が独立して作ることのできる団体です。

ところで、あなたは労働契約の内容について考えたことがありますか？
そしてそれは適切ですか？

仕事を得るために我慢しなければならない、と思っていませんか？
それは適法かどうか考えたことがありますか？​

実は、たとえ契約書が「業務委託契約書」であったとしても、
労働実態に照らして法の適用を受けます。

最近は「名ばかり個人事業主」「名ばかりフリーランス」といった記事も注目され、実態が「業務委託」ではない、働くのに不利な契約を強制する実態も明らかになりました。

本来、労働者も使用者も、対等な立場として、高め合い向上することが正しい道です。

しかしながら、労働者側が不利な条件・立場に陥ることが少なくありません。
個人で意見を言ったら不利な立場に追いやられた、なんて聞いたことがあるかもしれません。

そのためにユニオンがあるのです。

一致団結して労働組合を結成し、会社と対等に交渉できる労働者の権利を、日本国憲法は定めているのです。

インストラクターとしての働き方を整えることを目的に 「これはおかしい！」と思ったことに声を上げる。

ユニオンを発足する。これは、労働者に与えられた権利です。
正しい道を選択すること。そしてそれを行動に移すことを大切に。

一人一人の力は、小さな波が海でもあるように、繋がり合い、やがて大きな力となります。

私達の行動が、
同じ講師業、ヨガやピラティス、フィットネス全般のインストラクター業の労働環境改善につながる。 それを信じて。