はじめに　　　　　     

佐賀県と福岡県で家庭教師やいじめ・不登校対応をしている平戸哲朗（てっちゃん）と申します。

現在２１人の生徒の訪問サポートをしています。

今回のプロジェクトを通じて佐賀県と福岡県に住む、不登校で将来に不安を感じている小学生から高校生の子どもと保護者を訪問サポートしていきたいです。

佐賀と福岡には不登校児童がたくさんいます。しかし効果が出やすい早期の対応に繋がるご家庭は多くありません。

現場の声を聞いて「子どもが外に出られないのに本人が来ないと対応してくれない支援機関が多い」といったことが理由であると分かりました。

これを解決し早期対応に繋がりやすくするために不登校の訪問対応の実施を思い至りました。

今回のプロジェクトを通じて１００家庭に無料の訪問サポートをしていきます。

私の不登校対応は「学校に無理やり戻す」ことを目的にはしていません。かと言って「学校に行かなくていい！」と安易に提案するものでもありません。目の前の子に興味を持ち「何を必要としているのか」に気づくこと、それを手に入れるために何をすればいいかを一緒に考え行動に移すこと、が私の実践する不登校対応になります。

令和2年度の佐賀県内の中学生の不登校生徒数は１０００人あたり３８人が不登校の状況にあります。

しかしある中学校では１クラスで８人の不登校生徒がいます。また現在対応中の生徒２２人中１１人（５０％）が不登校を経験しています。今までに５７人の生徒を対応してきましたがその内１９人（３３％）が不登校を経験しています。

そこで私は、家庭教師で知り合った不登校の子たちや学校にギリギリの状態で行っている子たちに対して様々な対応をしてきました。

現在対応している生徒のうち３人が不登校です（８人は学校に通うようになりました）。社会に出て行くまでに３年以上かけた子もいます。

人の成長スピードは個人差が大きく、学校や社会の要求に誰しもが適応できているわけではありません。

不登校になった子には考えと気持ちを整理する時間が必要です。気持ちの言語化と思考の整理が進むに連れて子どもも大人も納得感を得ていきます。

不登校の状態が続くと「社会から置いていかれる」という不安で頭と心がいっぱいになります。  個別の早期対応によって不安と焦りが和らぎます。

ご家庭の金銭的な負担を軽減して早期の不登校対応を実現するために皆様のお力添えをいただけたらと思い今回のプロジェクトをスタートするに至りました。

※不登校児童生徒数は,欠席日数と出席停止・忌引などの日数の合計が30日以上の児童生徒のうち、不登校（何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的・背景により、児童生徒が登校をしたくともできない状態にあること。ただし病気や経済的理由、新型コロナウイルスの感染回避による者を除く）を主な理由とする者の数

支援が必要な理由　

皆様からのご支援が必要な理由は３つあります。

サポートするご家庭の経済的負担を軽減することで「お金がかかるならもう少し自分たちでがんばろうかな…」といった検討に使う時間が省略できます。それによって早期対応に繋がる可能性が高くなり、比較的短い時間で解決する可能性が高くなります。

今まで対応した不登校生徒１９人の内７人は途中から不登校になりましたが早期対応が可能だったため１ヶ月程休んだ後に登校を再開しています。

１２人は担当する前から不登校の子たちです。この子たちは対応から２ヶ月から３年の時間をかけて社会に繋がっていきました。

今までは家庭教師業による収入で不登校対応に関する費用の多くをこちらで負担していました。しかし収入が大きく減少したため自身の生活を成り立たせるので精一杯の状態が続いています。

対人援助において援助者が安定していることはとても大事なことだとこの７年で学びました。家庭と援助者が無理をしない対応を継続するためには外部からの資金援助が必要だと考えました。

多くの方が不登校の現状を知って、理解していただくことで協力的な方が増えると考えています。

地域によって子どもたちの選択肢が少ないことに気付きました。それは不登校対応に携わる人が足りていないためだと考えています。

今回のプロジェクトを通じて「不登校対応の担い手を増やし、みんなで分担する」を実現していく１つのきっかけを作っていきたいです。

様々な人が不登校対応に携わることは、子どもたちの選択肢を増やすことに繋がります。

様々な「体験」や「他者との関わり」によって子どもたちは納得をして未来を選択することができます。

支援の使い道　　　

頂いた支援金を元に、今ある活動を継続しながら、より積極的な対応を実現していきます。頂いた支援金は全て自動車での移動費に使用させていただきます。想定している活動地域は活動拠点である佐賀県鳥栖市から走行距離片道５０km圏内を想定しています。

３０万円のご支援で１００家庭に４回ずつ訪問することができます。 週１回の訪問で４週間の対応継続が可能になります。

今までの経験を踏まえると、週１回のペースで４回対応が継続できると子どもと保護者の心に余裕が生まれます。

今までは「学校に行かせないといけない」と追い詰められていた方が「今はエネルギーを貯める時期だから無理をさせないようにしよう」となったり「具体的にどう対応すれば良いか分かって安心した」となるケースが多い印象です。

子どもが気持ちや考えを整理するための時間を設けるために時間をかけてゆっくりとサポートしていきます。 特に緊張度が高かったり、不安傾向が強い子どもの場合は急いで距離を詰めようとした途端に心のシャッターを下ろすケースも少なくありません。

時間をかけて対応していくことが信頼関係構築の第一歩になると考えているため、４回の訪問を通じて徐々に関係を築いていきます。

さいごに　　　　

私自身が家庭教師としての活動を始めたきっかけは「１対１での対応だからこそ力になれることがある」との想いがあったからです。   私は中学時代に不登校を経験しました。不登校の期間は1ヶ月ほどですがその前から長い間、学校での居づらさを感じていました。 色々なことを気にして考えるけれど、それを適切に言語化するスキルが低く自分の状態や考え、感じていることなどを他者に上手く伝えることができませんでした。

そんな時に心の支えになったのは１対１で対応してくれた友人や大人たちでした。夜遅くまで話に耳を傾けてくれた友人や個人塾の先生、あたたかく丁寧な対応をしてくださった接骨院の先生などとの出会いが私の心をギリギリのところで支えてくれました。その経験から現在の事業を始めました。

活動を続けていく過程で出会った多くの方々から感謝の気持ちを伝えられたり、応援の声掛けをいただくたびに「今のままではまだ足りない。もっと頑張ろう」という想いが強くなりました。 今まで私を信じ続けてくださった人たちや、様々なかたちで関わり応援してくれた人たちの期待に応えたいという想いと、過去の私に似た境遇にある子と保護者の力になりたいという想いが私の原動力です。

この活動によって将来を担う子どもたちの中に他者への慈しみや、それを具体的な行動で実現していこうとする種を蒔いていけたらと思います。 本プロジェクトを通して、より積極的な活動を継続していけることを願っています。

【プロフィール】

４年前に神奈川県から単身で佐賀に引っ越してきました。祖父母の介護をしながらできる仕事として大学時代に取り組んでいた家庭教師を再開しました。今では常時２０名前後の生徒を対応しています。

私自身が中学生の時に不登校を経験して、そこからもがき足掻いてきた体験が今の活動で活かされていると感じています。無理やり勉強をさせてガンガン成績を上げていくというよりも、目の前の子が何を求めていて何につまづいているのか、などを時間をかけて言語化していく作業を大切にしています。 この作業を進める際に気をつけたいことは、私１人の視点でその子の世界を埋めようとしない、ということです。様々な人の多様な視点、考え、価値観などを共有することでその子の内的世界は豊かになっていくと考えています。私とその子の関係で世界を完結させるのではなく、色々な人たちの関わりを通して物語を紡いでいけたらと思います。

【これまでの活動】

2,015年～2,017年

・神奈川にて家庭教師業務開始  / 5人の生徒の学習対応、2人の不登校対応/学研スタッフ（不登校部門）

2,018年～2,020年

・自動車免許取得  / 関東のクリニックに就職後，佐賀にいる祖父母の介護のため単身佐賀へ  / 9月から家庭教師業再開/佐賀市川副町にある祖父母の家の1室を借りて個人塾開業/中古自動車の購入  / 火事で祖父母の家が全焼 / 11月から佐賀市昭栄町の事務所利用可の物件を借りてWARMCALMとしての活動開始

2,021年…

・Twitter、Instagramによる広報活動と不登校対応を開始   / 無料学習支援を提供する市民団体greenbookのスタッフになる / フリースクールしいのもりの外部スタッフとして関与  / 友だちづくりのトレーニングPEERS（COROBO project）のメンバーとして活動開始

2,022年～現在…

・通算で57人の生徒を家庭教師として担当 /  greenbook副代表就任  / COROBO project運営代表就任 / 市や県の境界を超えた協力体制の構築を進める（現在、佐賀・福岡・神奈川・栃木で協力体制構築中）

【活動報告】